地盤の不等沈下や液状化現象等による地下埋設物に対する影響は見過ごせない事柄です。特に下水道本管は自然流下を原則として数‰という勾配で布設されており、広域造成・埋立地等その影響を考慮しなくちゃならないところも多いようです。流量・流速がある程度確保できている場合はまだしも、人孔の沈下や管路の弛み(場合によっては隆起、浮き、反り)などによって流れそのものが阻害され悪臭の発生等、直接生活に影響が出る場合もあります。定期的に管内清掃などを行なうことで対応しているところも多いようです。費用対効果の側面も当然考えながら根本的な改善をしなくてはならん場合も出てきます。すなわち、
布設当初の勾配にできる限り戻す、もしくはある程度の流量・流速が確保できるところまで改善するということです。
開削して直すなら直せばええんです。直すより、工事費用や以降の維持・管理も含めて別ルートを確保するほうが良いと判断すれば、またそれもええやないの。
しかしながら、
「直したいけれども開削では施工したくない、できない・・・ひょっとして、開削より安価で施工できるかもしれない(こればっかりは、積算してみなわからん!)」。
そう、こんときにこそ前頭葉の片隅に貼り付けとかないかんのが、「スコープ工法」なんだなぁ!
もう一丁・・・・・・・
ここから先(全部じゃないよー、10行程度)は、さらーっと聞き流してね!
(聞いとるわけじゃないから・・・・読み流して・・・?・・・・読んだら忘れちまって下さい!)
ま、そのーー・・・・・・・なんというか・・・・・・・「最近の推進技術はすばらしい!」ってえことはどこかで話したと思いますが、中にはたまーに(あくまでも、たまーにってことで)「えいくそっ!」って施工しちゃって、推進最終段階でせり上がっちゃったり、垂れ下がっちゃたりして許容範囲を飛び越えちゃって検査が通らない・・・・・・・どうしよう?とか、
原因はいろいろあるんだろうけど、推進中に先頭きっとるヤツがヘソ曲げちゃって「このままじゃ、まっすぐいかんやないか!」・・・・・・・どないかせーや!・・・とか。
動機の純・不純は問いません!必要なら是非ご検討を?!・・・・・「スコープ工法」
薬液注入工事の施工現場に立ち会った経験のある人は知ってるのではないかと思いますが、監視・管理を注意深くしていないと地盤が盛り上がったり人孔や立坑を圧迫したりしますよね。そーなんです、圧力加えれば物は動こうとするんです、が・・・・・
中にはムリムリ注入してムリムリ動かそうとして、結果オーライ!ってなこともあるらしいです。んがしかし、注入による圧力は使いようによっては半端じゃないんです。ときには家屋を持ち上げるのにだって使えるのですから(地研開発のジャック工法)
ときおり、ご自分たちでムリムリ注入するだけ注入して、なんともならずに(へんてこりんな方向へ移動しちまったり、管渠に亀裂が走ったり)、「なんとかならん?」ってなご連絡いただくこともあるんです。
地研開発も薬液注入の技術を応用・駆使して地下埋設物の移動修整を行うのですが、移動修整を行うにあたり、その移動させたい部分の土砂を局所的に取り除くところに最大の特徴があります。
すなはーち、「誘導領域の確保・・・・・排土工」の存在やね。
この誘導領域の確保のための排土工という工程をいかにキッチリやり遂げるかにスコープ工法の真髄があるのです。
実際の施工に際しては、修整対象管の管種・管径・土被り・修整幅に修整方向・修整距離・土質や近接する他埋設物の有無や取付管の有無などを考慮して、設置する排土管の種類・管径・長さ・設置位置及び箇所数、各注入工(事前・修整・事後)における予定注入量の算出などをおこないます。
(わっかるかなー?わーかんねーだろうなー!言ってる私も見ててカッカしてくるわ!)
とにかく、キッチリ対象管の現況を把握したうえで(小口径の管だって、アイソニック工法があるから大丈ー夫!)
[1]事前調査・測定及びマーキング
[2]排土管設置
[3]事前引締注入(修整計測)
[4]排土(修整計測)
[5]修整注入(排土・修整計測)
[6]排土管撤去
[7]事後引締注入
[8]コア復旧
施工前 施工後 左掲2枚の写真は人孔の沈下及び下流側(ステップ側)で管のたるみがあり(左)、管路18mと人孔を80mm程度修整を加えた後(右)の人孔内の様子です。
推進管の修整については、通常の施工においても、最終段階として到達側管口の修整が多くなってきます。修整幅が200mmを超えてくるような場合、管路の修整とともに管口も徐々に修整を加えていくのですが、坑口からの土砂の流入を確実に止めたうえで排土は坑口側から施工することが多くなります。以下、管口修整について視てみることにしましょう。
下水道本管の維持・管理の面から施工に着手する事例としては、地盤の隆起・沈降にともなう管渠の変動の割合はそれほど大きいものではありませ。下水道管渠(本管)の勾配は数パーミリ(ミルパーセント)が通常の世界です。従って、100〜200mm程度の本管の変動・変位を修整することが実際の施工では多くなります。
しかしながら、地震災害による変動・変位は私たちの予想を大幅に上回るものになります。特に、土被りの値が小さい(4m未満)状況の中で移動修整量(特に下方修整)が大きい場合は反力としての上方地盤の支持力にも限界があります。
以下、φ200塩ビ本管、土被り約3.5m、最大580mmの修整例を取り上げます。
人孔間距離(修整延長距離)が26.9mで、最大580mmの下方修整が必要!
上流側より17.5m付近(左図の窪んだトコロ)に取付管があり、その部分は浮かずにジッとしておった…
しっかしまぁ、考えて見れば約600mm、管3本分も変位していて、本管が破損せずにいたのには大変驚いたー!
因みに、実線は施工完了後の本管位置です!
施工手順としての流れは、大概、同様です!
「スコープ工法」誰が何と言おうが、最初に申し上げた通りあくまでも、くどいけれど、
排土(誘導領域の確保)が命!…命の母「排土」…なのです!
従って、キチッとした現状の把握の後、「排土管設置」「事前引締注入」を施工し、誘導領域を確保した上で、いざ、修整ー!(ここからが、チョイと違う!)
まずは、ムリクリ・力づくで、本来あるべき姿を歪められてしまった塩ビ本管の声を聴くコト!!熱による変形や破損がある場合は別だけれど、塩ビ本管は「真っ直ぐに戻りた〜い」と思っているんです。ここでは、そのお手伝いをしてあげる!
言い換えれば、「応力開放・解放?」ってヤツ?!
本管自体を特殊な振動機(もちろん地研開発・発)を使って揺さぶってしまうのです。それと同時に、人体の背骨の矯正と同じように、チョイと直接、本管に負荷を掛けてあげるんですね…写真で確認してみましょう!
【ウェイト加重&特殊振動機による修整】
言うまでもなく、上記工程の中には(写真掲載はありませんけれども…)、
【事前引締注入工】やら、
【排土工】やら、
【修整計測工】やら、
微調整のための【修整注入工】やら
【事後引締注入工】なんかも当然のように施工しています!
それと、あまりにも自分たちの都合の良いところばっかし、述べていても何かしら鼻にツ〜ンと来てしまうでしょうから、この施工における難点を明かしておきましょう!
「スコープ工法の利点」の一つに、施工時間外での占有箇所の開放というのがあります。非開削工事の利点です。
しかし、この施工方法を選択する場合、負荷用のロッド及びウェイトは管路修整が完了するまで、解除するわけには参りません!一般道路上のセンター付近に修整対象本管がある場合は、保安上、「昼夜間通行止めないし片側通行」の措置が必要になります(歩行者通路の確保は全く問題ありません!)
上記掲載の施工例の場合は、写真でも判るとおり、修整対象本管が民地よりにあったために夜間は道路の開放が可能でしてが、安全を優先させて迂回路を確保の上、通行止め状態で施工をしたものです。
ここで、人孔修整を取り上げるわけですが…
「スコープ工法」における人孔修整では、【上方修整】で数多くの施工事例を積み重ねて参りました。地盤の不等沈下にともなうモノであったり、なんたら、かんたら…
(ここは、是非、ご推察願います!どうにも原因については書きにくい!タダ単に私の能力の問題かしらん?!)
床盤を特殊な方法で粉砕し、注入によって人孔下部層の土砂の稠密化と膨張圧力を利用して、沈下した人孔を元の位置まで誘導、その後、再沈下防止のための防護注入…
ここでは、地震災害による施工事例として人孔の下方修整について写真の掲載と若干のご説明をしたいと思います。
(地震による地盤の液状化・流動により人孔が受ける「浮力」でもって人孔がピョコッと突出してきちゃう!ご承知のように、何も突出したことが問題なのではなく、人孔に付随する流入管路の管底位置が上昇してしまうことが問題です)
[上段3枚]地震災害後の状況
[中段1枚]突出人孔(接写)
[下段2枚]復旧完了後の状況*それぞれクリックで拡大!
この事例において、地研開発が携わった工事は、上記掲載の人孔の下方修整及び、流入3管路(本管2、取付管1)の破損部分の取替え工事です(3管路の補修取替え方法についても是非お伝えしたいところですが…略!)
まずは、簡略的にこの場合の修整方法について述べましょう。
■人孔周囲4箇所に独自に加工を施した地中アンカー(下方修整時)を設置します。
■人孔内に揺動機(人孔そのものを振動させます)を設置
■人孔外壁と周囲の土砂との摩擦の軽減を図るとともに、人孔底盤と床盤との間の 土砂を排土します(最大200kgf/cu程度の水圧を伴うジェッターによって泥水化する)
■人孔躯体上部に作業架台・反力盤を、また4箇所のアンカーそれぞれに独立した油圧ジャッキ(200kN)を設置して、人孔を揺動しつつ加圧して下方へ修整するものです。
【人孔の揺動&ジャッキによる下方修整】
この「下方修整」に関しては、揺動機は使用するものの地中アンカーを設置することなく、言い換えればジャッキを使用することなくウェイトの加重によって施工する方法もあります。
人孔周囲の
土質条件(「再生改良土を使用してる」とか、「床盤コンクリートの有無」とか)よっては
施工環境(「シートパイルの残存」とか、「埋設物・障害物の有無」)等々、あらゆる条件を加味して施工方法を選択していきます!
参考までに…
この【人孔揺動機&ジャッキ併用】による施工方法での「上方修整」の施工例を掲載しておきましょう!
この場合、地中アンカーの設置は不要です。
埋設管などの移動修整を開削することなく行うことができる画期的な工法としてスコープ工法があります。その特徴を簡潔に述べれば、
低振動・低騒音での施工が可能で、近接する埋設管の移設・切り回しが特別な場合を除いて不要であり、道路施設・周辺家屋への影響も考慮して開発された工法です。
少ない占有面積での施工が可能ですし、なんと言っても施工後の再沈下が起こりにくいのも特徴のひとつといっていいでしょう。
適応性の観点から言っても、ヒューム管・推進管・鋼管・塩ビ管・掘進機及び人孔やボックスカルバートに至るまで修整可能です。管径を選びませんし、局所的な修整からスパン長に制限を設けません。新設・既設を問わず、上下(左右)への移動修整が可能です。
【HP制作者】より・・・・・
(「う〜ん・・・・・・、いかん。脳ミソが爆発しそうや!何度読み直しても表現が硬い固い。分かり難い!辛抱してここまで読んでいただいた方には申し訳ありません。現状ではこんくらいが能力の限界!営為努力しますんで今回はこの辺で・・・・・こらー!「HP管理者」!智慧を出さんかい、、智慧を!」)
【HP管理者】より・・・・・
(「今、現場で施工中ですから、もうちっと待ちなさい!チャンと協力してあげるから。それまで一人で頑張んなさい・・・いい子だから!」
それはそうと、ここまでご覧になって頂いた方でご質問等がある方は気軽にご連絡ください。最優先でご返答差し上げます。)
以上
開発・施工[スコープ工法] |