埋設物沈下測定棒設置(撤去)工法としてのラクチンボウ工法

 地下埋設管の近接する場所において何らかの工事が行われる場合等、その既設埋設管に対する影響(沈下及び隆起)を地上面から簡単に測定できる器具が沈下測定棒です。(不等地盤沈下にともなう埋設管への影響の調査も同等)
 あらかじめ、埋設時にバンド式で測定器具を立ち上げておけばよいのですが、そうもいかない。推進工法で施工されたり、予期しない隣接工事や液状化等による地盤の不等沈下などあとから測定の必要性がでてきます。このようなときに威力を発揮するのが、非開削(φ125の掘削孔のみ)で簡単に測定棒が設置できるラクチンボウ工法です。

左上図:見難くて恐縮ですが沈下測定棒の
     設置概要図です

右上図:手に持ってるものが沈下測定棒   
      

施工方法と手順

 施工手順にしたがって簡単に説明しています。(これまで同様に写真上にマウスポインタを移動させクリックすると拡大して見ることができます)

 
ダイヤモンドコアカッター(φ125)で舗装部穿孔
路床下部よりウォータージェットの水力切削とバキューム車による泥水吸引により洗掘
同上
よほどの障害物がない限り設置対象管の直上に設置しますので探査をかねて洗掘していきます
設置対象管の管頂確認後、ケーシングパイプ(VP75、先端に防護ゴム付)を建て込みます
建て込み完了後、ケーシングパイプと地山との空隙を川砂で水締めしながら埋めていきます。路上の振動及び衝撃が直接沈下棒に伝わらないよう、口元防護パイプを設置し、舗装部との空隙は高強度無収縮モルタルにて充填(下)
ケーシングパイプ内を洗浄し直接対象管の現況を測量し、沈下測定棒を投入設置します。不必要な引き抜き防止と防護蓋の飛び上がり防止のため、防護異形ソケットを装着し防護蓋をして設置完了(下)

 *平成8年以降6000箇所以上の施工事例がありますが、この沈下測定棒の開発の経緯もあり、ガス管に設置する割合が多くなっています。このような理由(観測の必要性がなくなればキチンと撤去しなくちゃなりませんし)もあって測定棒の先端が特殊マグネット(かなり、強烈です!)になっています。

 それでは、
設置対象管がコンクリート管(HP)や塩ビ管の場合はどうするか?

 そんな場合は、
対象管に円形の鉄片(φ35mmの特殊加工ワッシャ)を専用接着剤で貼り付け、その鉄片に沈下測定棒を着磁させます。





これにて、ラクチンボウ工法の説明は終了です。









事業内容[ラクチンボウ工法]