グリーンモール工法の開発の契機
ゴルフ場における芝の維持・管理を行うにあたり、まず問題になるのが芝に水をどのように供給するかということです。この時期ゴルフ場建設がどの程度のものであるかは知りませんが、比較的新しいゴルフ場についてはスプリンクラー設備が常設されているのが普通ではないでしょうか。
しかしながら古くからある(歴史のある、伝統のある)ゴルフ場などでは散水車等で丁寧に給水されているのが現状であり、後にスプリンクラー設備を整備しようとした場合に問題が生じていました。
ここで言う問題点とは、整備にかかる費用ということもありますが、なんといっても給水管(φ50〜φ125程度)を配管する際に20〜30cmの幅で切ってめくってトレンチャー(掘削機)で掘削して(ようするに開削)で配管するのが普通でした。
しかし、このたかが20〜30cmの芝切りに問題が生じていました。
■配管後に、芝を丁寧に元に戻すのですがなかなか根付かない。
■開削の跡がなくなるまでに数ヶ月を要する場合もあり、見た目が良くない。最悪の場合、根が枯れてしまい芝がダメになってしまう
といったことがあったのです。(テレビで観戦していても気がつくことがあります)
また、地盤の低いところで水はけが悪く根が腐ってしまいやはり芝がダメになってしまう。(このような場合は、透水管を配備して水はけをよくしてやらなくてはなりません。このことはゴルフ場に限ったことではなくサッカー場等、芝の維持・管理が必要なところではしばしば見受けられることです。もちろん、建設費用に上限がないようなところでは専門先端技術を駆使してコンピュータ制御により地面下からすべてを一括管理しているようなところもあります)
このようなとき、従来どおり給水管もしくは排水管・透水管等の整備設置により改善を図ろうとするときに「なんとかならんだろうか?」と地研開発に話がきたわけです。
と、いうことでご依頼のあった会社及び理解あるゴルフ場のご協力の下に新しい工法・機械の開発と実験が始まったわけです。
今回の開発のポイントはなんと言っても、
「芝をめくらない、はがさない、根を痛めない」でどうやって深度50〜60cmのところにφ50〜125程度の管を布設するか・・・・・・この点につきる。
そこで、考えついたのが以下のような方法(工法)である。
「地下鉄工事を思い出せ!」
開発者がこう言ったかどうかは定かではありませんが、とりあえず管の通る穴を用意してやり、そのあとに管を引っ張り入れてやれば(押し入れるには管径が小さいし距離も長い)良いのではないか。
いずれにせよ、管を布設するにあたり溝は必要である。必要最小限のピット(30×70×60)を2つ(入口と出口)開削で用意する。そしてナイフでケーキを切るように地面をサクサク切って行く。そのときワイヤーロープを同時に引っ張って行き、両ピットにワイヤーロープを貫通させる。貫通したワイヤーロープの片端に小さめの鉄球(形状についてはヒ・ミ・ツ!・・・・・こんなんは秘密でもなんでもないが書くのがメンドくさい!)を付けウインチで引っ張る。そんでまた、ちょいとでかい鉄球を引っ張る。このことで管の通る穴を用意してやり、最後に布設する管を引っ張る。
これでオッシマイ!(この最後の管をワイヤーロープを接合する部分の道具については企業ヒ・ミ・ツ!)
最後に地面(芝)のところが若干盛り上がるので振動ローラーで叩いて完了。両ピット部分については管の分岐部分として利用できるような場所とする。
布設距離については土質条件にもより20〜80m程度。
下に工法開発実験段階の機械を掲載しますが、驚かないよう願います(ハハッ!)
クリックすれば見やすくなります サクサクって言いましたが、バイブロハンマーでガンガン地面を切っていくんです。ユンボにバイブロ吊って何が大変って、全体重量が重くって芝にキャタの跡がつかんようにコンパネを人力でずらすのがもう・・・・ でも、切削幅は2cm程度だし上々やね! ワイヤーロープのついてる部分が巨大な刃の先端部分やね。
あとは自重をいかに軽くするか、すなわちバイブロハンマーにかえて刃の振動装置をどのようにするか、牽引のためのウインチをどう組み込むか等改良・実験を繰り返してできあがった専用機が以下のようなものである。(発電機がむき出しでチョットばかし2枚目ではないけど当初の目的をキチンとはたすかわいい専用機や!)
サッカー競技場で透水管(約80m)布設工事前に緊張の面持ちで記念写真に収まるグリーンモール専用機
施工状況
平成14年度まで当社にて施工もしておりましたが、平成15年度以降、施工は他社に一任することとなりました。
(専用機に正式な名称を与える前に嫁いでいってしもうた!社内では密かにエヴァー・グリーンと呼んでた人もいたらしい!)
開発・改良・メンテナンスは行っております。施工に対するお問い合わせも伺っておりますので(ご紹介いたします)、気軽にご連絡ください。
以上
開発・メンテナンス[グリーンモール工法] |